Pierre Chapo Prototype B10 Sideboard
こちらは以前に掲載済のお品となります。今回はこのB10サイドボードについて少し掘り下げてご紹介いたします。
このサイドボードは1970年代に製作さられた物で、通常のモデルB10ではなくプロトタイプ品となります。当時シャポーの家具を製造していたSeltz社のオフィスに保管されていた物です。
この試作品のプロジェクトはピエール・シャポーとSeltz社によってプログラムされていました。
その内容は、当時のインテリアデザイン界で流行していた物の流れの中でエキゾチックな木製家具を提案することが目的でした。然しながら約20点余りの試作品が製作されただけで、量産されることはありませんでした。
その試作品はどれもエキゾチックな木材を用いて様々なタイプのB10モデルが製作されており、どれも特異でユニークな物だったようです。
当時、全ての試作品はシャポーとSeltz社の両者のもとで共有されていたようです。
残念ながらこのB10を除いた全ての試作品は、未だ見つかっていないようです。
大変稀少なB10サイドボードです。
材質
フレーム、扉、引き出しが無垢のAfrican Iroko wood で、天板、底板、背板は分厚いフォーマイカパネルが使われています。唯一扉の中にある一枚の棚板だけは無垢のエルム材が使用されています。
*Seltz社
1930年にアルザス人によって創業され、自社ブランドの製品は非常にクオリティが高く、定評のあるフランスの木製家具メーカーです。
また、当時Pierre Chapoの家具も数多く製造されておりました。
コンディション
・Seltz社のオフィスで使用されていたようで、全体的に擦り傷、打痕、汚れ、木部の細かな削れ、日焼け、色褪せなどが少し見受けられます。
・天板などのフォーマイカパネルはコーティング加工が施されておりキズには比較的強い為か目立つ傷などは見受けられない状態です。
・真鍮製のパーツには経年によるクスミがございますが、ヴィンテージ 品の風合いを残す為、敢えて研磨剤などでは磨いておりません。
この中の棚板がエルム材です。⬇
計8箇所のコーナーに真鍮キャップが装着されております。⬇